◆独立を想い立たせた
光景
“わたしも向こうへ行かなければ…”
昨年2019年4月のリーズレター臨時版2019年清明のトップ記事でLEE'Sの歩みをざっとふり返っていますが、独立を現実に想い立ったのは、ごくごく何気ない光景でした。
1990年外資企業に入社して5ヶ月が過ぎた頃、“けっきょく、会社で働くかぎりは、日本企業も外資も変わらない・・・”と思い始めていた。
そんなある朝の通勤、市バスの中から偶然見た光景が未来を決定づけました。
淀屋橋から肥後橋へバスが向かうその途中、信号待ちでバスが止まったのはグランドホテルの前。つり革を持ち、ぼーと、外を眺めていたホテルの正面玄関。ちょうど中から人が出てきました。
年の頃は50代半ば、風貌からして会社員ではありません。カジュアルな装いの中にも経営者の雰囲気がが醸し出される。自分の裁量で日々を送り、生きている。いやみのない自信めいた感じが清々しく映った。
”わたしも向こうへ行かなければ・・・”。とっさにそう想った。衝撃的でも何でもないことなのに、人生の選択を決定づける。うすうす、もう独立しかないとわかっていたのかもしれません、自分の可能性を拓くためには。
まったく独立志向ななかったのに、そうなる、そうする。人間、おもしろいものです。(2020年3月23日)